読書から、穏やかな心を

本を読み、感想を書くことによる癒しを届けます

「すきなこと にがてなこと」

冬季オリンピックが始まりました。

私も高校生まで、
スピードスケートをやっていたので
ワクワクしながら、競技を見ています。

「そういえば…」
一人の先輩を思い出したので、そのお話をしますね。

私は、高校生のとき
スケートの強豪校に入学しました。

全国で1、2位を争う先輩がいました。
その先輩は、短距離の選手。
のちに、オリンピックの代表選手となります。

優しくて、明るくて、前向きで。
当時は、すべてが完璧にみえました。

先日『すきなこと にがてなこと』を読み
「先輩は、本当に完璧な人間だったのか?」
と、思ったのです。

 

 


スケートをする人の中には
短距離、長距離、両方得意とする
オールラウンダーもいます。
でも、それは、本当に一部の人。

先輩は、短距離はピカイチだった。
でも、「自分には、長距離はムリムリ!」
「途中で転ぶかもしれないよ。あはは!」
と笑ってた。

夏は、自転車で1時間くらい
河川敷のコースを走ります。
これも、短距離の選手にとっては
しんどいんですよね。

今思い返すと、先輩の自転車は
いつもパンクしていました(笑)

みんなが自転車に乗っている時
先輩はコースの外周を
ランニングしていましたね。


だけど、誰も「あいつ、ずるい」って言わない。
すごい選手だったから、
何も言えないんていうのじゃない。

きっと、自分の「得意なこと」「苦手なこと」が
分かっていたからじゃないかなって、思うんです。


「短距離も、長距離も得意でありたい」
「もちろん、学校の勉強も」
「みんなをまとめられる、リーダーにならなきゃ」
私は、こんな風に考える、完璧主義者でした。

結果的に、自分で自分を追い込み、心も体も壊します。
もちろん、スケートの成績もふるわない。

それでも、その先輩は、試合後
一緒に買い物に連れていってくれて
私に、飲み物を買ってくれました。

「そのストラップいいね、交換しよう!」
と言われ、携帯電話のストラップを交換。
(私は、フジテレビで買ったあい〇りの
ストラップを持っていて、それが珍しい、
という理由…なつかしい…)

先輩からもらったストラップ
(いかのキ〇ィちゃん)は、今も、
実家の自分の部屋に、大切に飾ってあります。

あの頃は、時間に追われ
先輩のありがたみに気づけなかった。
本当に感謝しています。


「すべて、完璧にできていたい」
って、思っていた。
それは「できないやつ」って、
思われたくないから。

だから、目の前のこと
全て完璧にこなさなきゃいけなかったから
とっても苦しい人生でしたね。

その苦しさに気づき、一旦立ち止まりました。
自分は何が好きで、何が苦手なのか
考えるようになったのです。


私は、読書が好き。
本の感想を書くのが得意。
人とコミュニケーションをとるのが好き。

車の運転が苦手。
バックモニターがないと、駐車がでない。
裁縫も得意じゃない。等間隔に並縫いができない。
会計が苦手。お金を数えると、頭が痛くなる(笑)


今通っているプレイセンターでは
ママにも役割があります。

「私は、文章書くのが好きだから、
執筆依頼お待ちしています」と言うし
「裁縫苦手だよ~。ここの縫い方、教えて!」
とも言います。

好きなこと、苦手なことを声に出すのは
初めての経験です。
特に、苦手なことなんて
プライドが許せなくて、ずっと言えなかった。

でも、実際に公言してみて
「できないやつ」って、思われてるのかな?
私が思うに、上げ足をとられたり、
見下されると感じることは、ないですね。

それは、私が完璧だからでしょうか?
すごい人間だからでしょうか?

ここまで読んでくださった方なら
もうお分かりですよね。


自分自身を認め、肯定的に生きているから。
そして、自分の好きなことで、誰かを助け
苦手なことは、助けを求める。

誰にでも、得意なこともあるし、苦手なこともある。
互いに認め合い、支え合うことが、
幸せに生きていく術なのだと、私は思います。

オリンピックを見ながら、
先輩を思い出しながら
こんな風に、振り返った朝でした。