読書から、穏やかな心を

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自己肯定感を守る「エゴレンズ」

社会心理学者のハイディ・グラント・ハルヴァーソンは、「自己肯定感を高めたり、維持したりするには『自分にとって大事な分野で明らかに劣ると思われる身近な人』に注目すればよい」と述べています。そしてこの働きをエゴレンズと呼んでいます。そんな失礼なことをしてまで自己肯定感を高めたくない、というのが私の本音です。しかし、それは私達が無意識に始終やっていることだといいます。だから、自信が持てるのだと。

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相手の成功、能力が脅威と感じると、自分より劣っている部分に注目してしまいます。女性の場合だと、自分が選ばれなくなるのではないかという不安で「あの子は可愛いけど、性格が悪い」「あの人はきれいだけど、脚が太い」などと陰口が始まったりします。これらは、自分の自己肯定感を守るため。そのために対象となる人を軽視したり、距離を置きたがるのです。

私はこの事実を知って、ある意味これが人間の真理であり、それはやむを得ないことなのだと考えました。ではどうするか、私なりに結論を出しました。

 

陰口を言われたり、距離を取られた場合は「この人にとって私は脅威なのだ」と気づくこと。相手の自己肯定感を守るのに必要なことであるため、自分も一定の距離を保つ。もし、付き合っていかなければならない相手ならば、謙虚にふるまうことを忘れてはなりません。

 

そして友人選びの基準をもつということ。自分に関連性が高く、なおかつ心理的距離が近いとエゴに対する脅威は高まります。子どもが同い年、毎日顔を合わせる、ママ友が良い例でしょう。トラブルが多く見受けられるのはこのエゴレンズが働くからです。娘はまだ幼稚園に通っていないのでママ友づきあいはありません。しかしこの心理を理解すると、社会的な関わりとして付き合い、それ以上は踏み込まないほうがいいと考えます。その中でお互いに尊重できる友人ができれば、それに越したことはありませんが。ママ友以外の友人を大切にする方に注力した方が賢明です。

反対に、心地よい友人関係を構築するためには、自分に関連性が低く、心理的距離の遠い人ということになります。今私が仲良くしている友人はみな、年が5つ以上離れています。職業、ライフスタイルも異なります。月に1回会うか会わないか。趣味や価値観でつながっているので、お互い脅威になることがありません。だから上手くいっているんだな、と気づくことができました。

 

最後にもう一つ。無意識に下方比較をしていると述べられていますが、もし誰しもそうであっても、私はそれ以外で自己肯定感を高めたいと思っています。

エゴレンズを理解すると、必要以上に傷つく必要がなくなります。自分にとって大切にしたい人は誰か、誰に自分を理解してもらいのか、一度考えてみてはいかがでしょう。

 

参考・引用図書