読書から、穏やかな心を

本を読み、感想を書くことによる癒しを届けます

聞く技術で、より豊かな心に

愚痴の多い人とは距離をとるようにしています。しかし、浅い人間関係には通用しますが、そうもいかない関係もあります。私は長年、母の話を聞くことに苦手意識を持っていました。その状況に解決法があるのかと、今回東山紘久さん著『プロカウンセラーの聞く技術』を読みました。ものすごく革命的でしたので、私の気づきと感想をお伝えします。

 

春

母の愚痴がしんどい私。電話口で「今日はお昼ごはんも食べないで働いてきて、私は疲れてるんだ」と言われると「上手く休むのも仕事だよ。(そもそも仕事の仕方に問題があるのでは?)」と批判的に受け止め、相手に返してしまい「うるさい!」と、まあいつもケンカになるのです。

しかし本書ではと反発モードで話を聞いていると、相手が話せないだけでなく、聞く側も精神的に疲れると述べられています。これにはグサァッときました。反発モードで聞いてるから疲れてるんですね…。

大切なのは、相手がどうして自分がこのように感じるか、どうして世界や物事をこのように見るのかに興味を持つということです。母は還暦を過ぎていて体を使う仕事をしています。繁忙期ですし、本当に大変で、その思いを娘にただ聞いてほしいだけなのだと気づくことができました。

 

そして質問していないときに答えてはだめ。このキーをおぼえておくと、けっして論争ににはならないと。なるほどなるほど…。母は自分が疲れていると言っただけで、私に何も質問していませんよね。これに答えるからケンカになっているとよくよくわかりました。

考えを改め、さっそく母に電話しました。

母「今日は疲れたよ」

私「お疲れ様」

母「あなたは若いし、楽でいいいな」

私(いつもなら、私の方が忙しいから、と言ってしまいますが、母は愚痴をいいたいだけだと理解します)「そうだね。お母さん大変だよね」

母「元気だったかい」

とまあ、なんとも理想的な母と娘の会話になりました。いつも愚痴をいう母に問題があるとばかり考えてしまいましたが、批判的に捉え、反発する私にも原因があったのだと深く反省しました。そして、苦手だった母との会話が楽しみになりそうです。

 

本書では、聞くことは話すことと同じくらい大変だと述べられています。しかし、この本のノウハウを学び、実践していけば、今ある人間関係がより良好となり、なにより自分の心が豊かになると実感しています。人間関係は、身内であればあるほど構築は大変です。まずは、自分の周りの大切な人の話を「聞いて」みてください。

 

最後に、私が忘れたくないこと。

聞き手は話し手より偉くないことを自覚しているべきです。それでもついつい人の悩みを聞くと、自分がその人より偉いと感じ、助言をしてまうことが多いものです。話し手との平等性を確保している聞き手は、尊敬していい人です。

 そして、そんな人に出会えたら、その関係を大切にしていきたいです。

 

どなたかのヒントになりますように。

 

プロカウンセラーの聞く技術

プロカウンセラーの聞く技術