読書から、穏やかな心を

本を読み、感想を書くことによる癒しを届けます

私が性教育を学ぶ理由

みなさんはなぜ、性教育を学びたいですか?
私は、娘に自分を大切にしてもらいたい、友人やパートナーも大切にしてほしいと願っているからです。
そして、困ったときや悩んだ時に、相談に乗ってあげられる存在になりたいと思っています。

   f:id:harukamotan:20211016082331p:plain

私の場合、思春期に入り、スポーツで結果が出せなかったり、勉強の成績が振るわないときに、母親から「体ばかり大人になって」と言われ、深く傷ついた記憶があります。
娘が成長していくことに喜びを感じていたとは思います。
でも、同時に不安でもあったのだと思います。
ただ、当時の私は「母にとって私が大人になっていくことは、歓迎されないことなのだ」と思っていました。

そんな過去の経験から、じゃあ私は娘に何ができるだろうと考え始めました。
そんなとき目に止まったフレーズがこちら。
「性教育が親子の信頼関係をつくる」
「え?性教育が?」と思いますよね。
でも、私は母親に自分の体や、友人関係、好きな人のことなんて相談できませんでした。
それは「話しても否定されるだけ」と思っていたからだと振り返ります。
もし性教育で親子の信頼関係が築けるなら、やらない理由はありません。

思春期は親より友人が大切になっていきます。
親がうざいと感じ、会話も少なくなっていくでしょう。
それでも、もし悩んだ時に「お母さんに相談してみよう」と思ってもらえたら、母親としてこの上ない喜びです。

そのためにはまず母親の私が正しい知識を持つこと。
そして、娘に伝えていく。
分からないことには何でも答えていく。
そう繰り返していくことによって、信頼関係が築けていくのではないかと考えます。


娘が大きくなったら、この映画を一緒に見たいです。
『朝が来る』以下ネタバレありです。

朝が来る
ひかりは中学生で恋人ができ、結ばれ、妊娠。
すでに中絶できない週数のため、親に特別養子縁組に出すと一方的に決められてしまいます。
周りには「病気になり、遠くの病院で入院することになった」ことにし、遠く離れた島でNPO法人の元、残りの妊娠生活を過ごします。
そして、たった一人で出産。
子どもは、新しい両親に引き渡します。
抜け殻になったひかりとは裏腹に、大好きだった彼は、今までと何一つ変わらず学校に通っているのです。

恋をすること、好きな人と思い合えることって、素敵なことだと思います。
でも、知識がないために、ひかりは一生の傷を背負うことになります。
本作品では、ひかりの両親は学校の成績に厳しく、娘のスマホも陰でチェックしているようでした。
ひかりが出産後も、出産はなかったことにされ、居場所をなくした彼女は家を飛び出します。
両親との間に信頼関係などないのです。

「避妊しようよ」「中学生で関係を持つなんて」と当人たちを責める声が聞こえそうですが、私は親の存在を問いかけられているように感じてならないのです。
そのために、今からできることを、できる範囲で始めていこうと思っています。
親であれば、ぜひ見ていただきたい作品です。